米国株の投資法の一つに高配当の株を保有して、その配当金を再投資する方法がありますよね。
シンプルで高いパフォーマンスを誇るので人気のある投資法です。
しかし、配当金はたかだか2~3%です。
簡単に配当金で再投資ができるのか不安があります。
株を取得するには手数料がかかりますし、配当金には当然税金もかかるのです。
実際どれくらいのリターンになるのかシミュレーションをしてみました。
結果、30年間のシミュレーションで年間平均リターンは5.6%。
いまいちな結果でした😅
手数料を変え、税率を変えシミュレーションしましたがS&P500にはかないませんでした。
S&P500を超えるには高い成長が必要でした。
目次
リターン計算の条件
シミュレーションの条件です。
- 初期投資資金
- 初期資金は1,005ドルとします
- 配当利回り
- 3.5% 、少しいい条件です
- 初期株価
- 50ドル、ダウ平均の高配当株にはこれくらいの価格の物があります。コカ・コーラ、ベライゾン等
- 購入手数料
- 5ドル、追加で再投資のために約50ドルの株を買うために毎回5ドル払います。購入手数料率は10%になります
- 配当、株価の成長
- どちらも毎年3.5%の成長。ですので配当利回りは常に3.5%。高配当株にしては安定した成長の前提
- 再投資のタイミング
- 1株購入するだけの現金がたまったとき
- 配当金にかかる税金の割合
- 30%。配当金が1ドル出た場合、税引き後の手取りは0.7ドル。
高配当安定成長、連続増配のいい株です。
米国株の配当金に適用される税金
配当金には二重で課税されます。
米国で10%の課税、日本で20.315%の課税。
確定申告をして外国税額の控除をすれば、10%分は帰ってきます。
*詳しくは税務署に確認を
しかし
今回1000ドルの投資なので配当金は35ドル。確定申告で帰ってくる額は3.5ドルです。
3.5ドルのためにわざわざ税務署にはいかないですよね
なので今回は30%分の税金を払っておくシミュレーションです。
シミュレーション結果
総資産は1005ドルが30年間で5193ドルになりました。
約5倍です。
しかし、年平均のリターンとしては5.6%です。
株数は30年間で20株から37株に増加。
S&P500指数は30年間で約10倍、年平均リターンは約8%ですの市場平均を下回る結果となりました。
*指数の変化ですので配当再投資はしていない状況です。
手数料の影響
10%近くかかる手数料が大きいのでしょうか?
手数料が無料の場合で同じくシミュレーションしました。
その結果総資産5333ドル。
手数料が5ドルかかる時は5193ドルでしたので、意外にも、ほとんど違いはありません。
税金の影響
こうなったらたった毎年確定申告して、配当金の10%の3ドルでも4ドルでも払い過ぎた税金を取り返すんじゃい。
30年目に帰ってくる税金は18ドルだし。
配当にかかる税金が20%だったらどうなのでしょうか?
ちょっと増えました。
30年後には投資した1005ドルが5614ドル。年平均リターンは5.9%
しかし市場平均には及びません。
市場平均S&P500は配当の再投資をしていないのに強すぎるのです。
税金 0%の場合
こうなったらありえない話ですが、税金が0%の時はどうなのでしょうか?
購買手数料も0です
これでシミュレーションすると、
1,005ドルは30年後には7393ドル、
年率のリターンは6.9%
やっぱりS&P500にはかないません。
配当再投資のバイブル、シーゲルの株式投資の未来を再確認
配当の再投資は素晴らしいパフォーマンスであるという配当再投資法のバイブル本である株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらすを再確認してみます。
50ページによると、
運用成績上位トップ20の平均は
年率リターン 15.26%です。
S&P500は年率リターン 10.85% (配当再投資している)
今回のシミュレーションと何が違うのか、
成長率が違うのです
EPS成長率が運用成績上位トップ20の平均は9.7%,最低でも6.2%です。
私のシミュレーションでは3.5%です。
配当の成長率を9.7%でシミュレーション
それでは配当成長率を9.7%でシミュレーションしてみます。
EPSが毎年9.7%成長すれば、PERが一定の場合、株価も9.7%上昇します。
配当利回りも3.5%固定ですので、配当も毎年9.7%成長します。
税金は30%払います。
30年間の投資結果
投資した1,005ドルは29,170ドルになりました。
年率リターンは11.9%
株数は20株から35株に増加
30年後の配当額は税引き後 637ドル。
運用成績トップ20の年率リターン 15%にはかないませんがS&P500よりよくなりました。
まとめ、米国株 配当金再投資シミュレーション、手数料と、税金考慮
- 成長が低い株に配当金を再投資しても市場平均にはかなわない。
- 株の購買手数料は10% 以下の場合、トータルのリターンへの影響は小さい
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